不動産売却は大きな金額が動く人生の一大イベントです。しかし、ちょっとした判断ミスや準備不足が、大きな損失やトラブルにつながることもあります。そこで本記事では、不動産を売却する「前・中・後」の各段階で注意すべき、やってはいけないことをご紹介します。後悔のない売却を実現するために、ぜひチェックしておきましょう。

不動産売却前にやってはいけない5つの注意点

家の売却は準備が肝心です。思わぬ失敗を防ぐために、売却前に絶対に避けたい「やってはいけないこと」を把握しておきましょう。

価格相場を確認せずに売却を進めない

家を売却する前に、近隣の類似物件の価格相場を自分で調べておくことは非常に重要です。不動産会社の査定額が妥当かどうかを判断するためにも、市場価格を知ることは必要不可欠です。

相場とかけ離れた価格で売出してしまうと、売却までに長い時間がかかるリスクもあります。

一社だけに査定を依頼するのはもったいない

不動産の査定は複数の会社に依頼するのが基本です。複数社の査定結果を比較することで、価格の相場観がつかめるだけではなく、それぞれの対応や提案内容を比べることもできます。

担当者の信頼性や実績も確認できるため、満足のいく売却につながる可能性が高くなります。

査定価格の高さだけで業者を選ばない

査定額が高いからといって、その不動産会社を選ぶのは早計です。査定価格はあくまで参考であり、必ずしもその金額で売れるとは限りません。

中には契約を取りたいがために、根拠のない高額査定を提示する業者も存在します。信頼できる会社かどうかを見極めるには、価格の根拠や販売実績などを確認することが大切です。

リフォームや解体を独断で行わない

「古いから」といって売却前に独断でリフォームや解体をしてしまうのは避けましょう。場合によっては、現状のままの方が早く売れることもありますし、購入希望者が自分でリフォームしたいと考えている可能性もあります。

費用を無駄にしないためにも、まずは不動産会社に相談してから判断することが重要です。

住宅ローン中に金融機関へ連絡せずに売り出すのはNG

住宅ローンが残っている家を売却する場合、金融機関に相談せず勝手に売りに出すのは絶対に避けましょう。

ローン残債の完済と抵当権の抹消が必要になるため、売却後の資金で返済する場合でも、事前に金融機関と調整が必要です。残債が売却代金を上回る場合は、新たな借入などを含めた計画的な対応が求められます。

売却トラブルを防ぐ！不動産売却中にやってはいけないこと

家を売却中は、少しの対応ミスが買い手の印象を悪くし、成約を遠ざける原因になります。売却中にやってはいけない行動を事前に知っておくことが大切です。

広告や情報公開でルールを無視しない

不動産広告には法律で定められたルールがあり、虚偽や誤解を招く表現は禁止されています。

また、不動産会社が作成する広告内容も必ずチェックしましょう。事実と異なる内容が掲載されていないかを確認することで、買主からの信頼を損なうリスクを減らすことができます。

不動産会社にすべてを丸投げにしない

信頼できる不動産会社に売却を依頼している場合でも、完全に任せきりにしてしまうのは危険です。

売主としても定期的に進捗を確認し、状況に応じて柔軟に対応する姿勢が求められます。売出価格の見直しや広告の改善提案など、積極的にコミュニケーションを取ることで、よりよい売却結果につながります。

内覧対応を軽視しない

内覧は購入希望者が物件をもっともリアルに感じる場面です。そのため、部屋を整理整頓し、清潔感を保つことが重要です。

準備が不十分だったり、対応が冷たかったりすると、買主に悪い印象を与えてしまい、購入意欲を下げる結果になります。

価格交渉や物件の問題を一切受け入れない

売主として理想の価格で売りたい気持ちは当然ですが、価格や条件の交渉に全く応じないと、買い手が離れてしまう可能性があります。

また、雨漏りや設備の故障など、買主に不利な情報を意図的に隠すことも絶対に避けるべきです。後に発覚した場合、損害賠償などのトラブルに発展する恐れもあるため、誠実な対応を心がけましょう。

不動産売却後も慎重に！やってはいけないこととは

家の売却が完了しても、そこで終わりではありません。売却後の対応次第では、思わぬトラブルや損失を招くこともあるため、注意が必要です。

引渡し期日や片付けを怠らない

売買契約では、買主への引渡し期日が明確に定められています。この期日を守らなかったり、物件内に家具やゴミなどの残置物を残したままだと、契約違反と見なされトラブルに発展する可能性があります。

引渡し前には、室内の確認と不用品の処分を済ませ、買主がすぐに利用できる状態にしておくことが売主としての責任です。

確定申告を忘れない

不動産売却で利益（譲渡所得）が出た場合、翌年に確定申告を行う義務があります。

これを怠ると、延滞税や加算税が発生するだけではなく、本来受けられるはずだった特別控除や軽減税率の適用ができなくなることもあります。売却後も税務手続きをしっかり確認しましょう。

まとめ

不動産売却は「前・中・後」の各段階で注意が必要です。売却前には価格相場の把握や複数社の比較を怠らず、無理なリフォームや金融機関への連絡不足に注意しましょう。売却中は広告のルール遵守や内覧対応、価格交渉の柔軟さがポイントとなります。そして売却後も、引渡し期日を守り残置物を処理、確定申告を忘れないことが重要です。これらのことを押さえることで、トラブルを避けスムーズで満足のいく売却を実現できます。ぜひ慎重かつ計画的に進めてください。

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